TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト 活用リポート 学校編

ECC国際外語専門学校

英会話スクールのECCを母体に、1984年に設立されたECC国際外語専門学校では、2009年3月からTOEICスピーキングテスト/ライティングテスト(以下、TOEIC SWテスト)を導入しました。導入のねらいやテストの評価、今後の活用法などについて、学校長の長岡昭彦先生、教務・英語課チーフの山本静香先生、教務・英語課の竹本晃先生にお話を伺いました。

■貴校の特徴についてお聞かせください。

長岡先生:本校は、1962年に開校した英会話スクールのECCが培ってきた英会話指導のノウハウを活かし、実践的な英語力を身につけたグローバル人材を育成する全日制の専門学校として創設されました。現在はエアラインやホテル、旅行、教育、国際ビジネスといった職業人養成コースを設置し、各分野で必要な専門力と英語力をもった「国際派の人材」を養成しています。

■貴校における英語教育の位置づけについて教えてください。

長岡先生:2つのポイントがあります。1つ目は、学生が希望する就職や留学、大学編入といった進路を達成するのに必要とされる英語力を養うこと。年々TOEIC800〜900点レベルの学生が増え続けています。もう1つは、「多文化共生マインド」の養成です。本校には約300人の留学生が在籍するほか、さまざまな国から来たネイティブ教員がいるので、異なる文化に触れながらグローバル社会を経験できるという利点があります。

長岡昭彦先生

ECC国際外語専門学校
学校長

長岡昭彦先生

■英語カリキュラムの特徴を教えてください。

竹本先生:主な特徴は3つです。1つは、(1)将来の進路目標を明確にする、(2)効果的な学習方法を学ぶ、(3)授業で「わかる」を体験するという「3つの学習サイクル」によってやる気を高め、目標達成まで継続学習するように促していること。2つ目は、海外の多くの語学学校が採用している世界基準ACTFLに基づき、レベル0〜4までの5段階でクラス編成をしていること。3つ目は、1年生の前期に英語の比重を高くした「短期英語集中プログラム」の採用。就職活動が前倒しになっている現状を踏まえ、前期課程では英語力を高めることに集中し、後期は英語と専門科目が半分ずつになるようにカリキュラムを組んでいます。

■4技能の中で重視しているスキルは何ですか。

山本先生:リーディングとライティングです。近年は日本語による「読み・書き」能力の低下が指摘されていますが、本校ではそれを敢えて英語で重点的に学ぶことで、日本語と英語両方の言語能力を引き上げるようにしています。また、同じアウトプット能力でも瞬時に対応しないといけないスピーキングに比べ、ライティングは辞書を引いたり文章を読み返すといった事前準備ができます。まずは、ベースとなるライティングに力を入れ、スピーキングにつなげています。学生にはよく正三角形に喩え、土台をしっかり築くほど、大きな図形を描くことができると話しています。

山本静香先生

ECC国際外語専門学校
教務・英語課チーフ

山本静香先生

■TOEICテストはどのように活用されていますか。

竹本先生:年3回実施しています。TOEICテストは受験者の英語力を正確に測れるため、学生は現状の自分の英語力を正しく把握し、次のテストでは何点を目指して頑張ろうと学習意欲を高めています。また、就職活動の際に英語力を問われる業種・職種では、TOEIC何点以上というハードルが設定されることが多いため、その目標を設定し、目的意識を明確化するのに役立っています。

■2009年3月にTOEIC SWテストを実施されましたが、実施の背景についてお聞かせください。

山本先生:TOEIC SWテストは、自分のことを英語で表現できる能力を身につけてほしいという本校のモットーにマッチしていると考えて導入しました。2009年3月には、1年生の中からTOEICスコア上位の5人が受験しました。

■実施されて、どのような感想を持たれましたか。

山本先生:私自身がこのテストを受けた印象で言うと、設問の多くが「私は〜です/します」と答える形式になっており、受験者が主役になれるテストだと感じました。

竹本先生:受験した学生からは、テスト内容が全体的に面白い、スピーキングスキルを試すのに適している、ライティングのよい練習になる、疲れを感じる間もなくあっという間に終わってしまった、といった感想がありました。設問は自分自身の対応の仕方を問われるシチュエーションが多かったため、実社会のリアルな空気を感じながら受験することができたようです。

■TOEIC SWテストは今後どのように活用されていく予定ですか。

竹本先生:TOEICスコア上位層のモチベーション維持のために活用できると考えています。TOEIC SWテストは、ビジネスの現場でどのように英語でコミュニケーションをするかを試す試験なので、受験対象は基礎的な英語力を備えた、イマージョンプログラムを学んでいるレベル4の学生になると思います。2009年3月に受験した1年生には、2年生の後期に「TOEIC SWテスト対策」の授業を受けてもらい、後期の授業終了後に再びTOEIC SWテストを実施してスコアの伸びを測定しようと考えています。

■「TOEIC SWテスト対策」の授業はどのような内容になるのでしょうか。

山本先生:テストの内容に沿って、社会人経験のない学生に対して、お客様からのクレーム処理や英文のビジネスメール作成など、実社会のシチュエーションに即した対応や、論理的思考に基づいた表現の仕方を教えていこうと考えています。

竹本晃先生

ECC国際外語専門学校
教務・英語課

竹本晃先生

■英語教育の今後の展望をお聞かせください。

山本先生:校内では、英語は特別な存在ではなく、授業を受ける、あるいは学校生活を送る上で必要なツールという位置づけにしたいと考えています。日常的に英語を使うことで、社会に出た時にも英語をさらりと使えるようになると思うからです。

長岡先生:本校では授業はもちろん、多彩なイベントを通じて英語によるスピーチやディスカッション、ディベートなどを学べる環境を提供しています。また、インターンシップなど、身につけた知識を活かして実践力を高める機会も設けています。こうした教育を通じて、「英語による高いコミュニケーション力」と「専門力」という2つの力を磨き、社会や企業に貢献できる人材を育成していきたいと考えています。

<2009年6月取材>