
英語力は表現の幅や活躍の場を広げていく上で重要なスキルのひとつです。このコーナーでは英語というツールを使ってチャレンジを続ける様々な著名人にインタビューし、英語にまつわる経験談や学習者の皆さんに向けたメッセージをご紹介します。

<プロフィール>
中学2年生のときに見たマイケル・ジャクソンのライブビデオに衝撃を受け、独学でダンスを始める。福島大学在学中に、ダンスチーム「はむつんサーブ」を結成。何度かのメンバー交代を経て、2003年、現在のりきっちょ、だーよしの2人からなる、アニメーションスタイルのダンスチームとして活動を開始。確かなスキルに裏打ちされたオリジナリティあふれるパフォーマンスは、国内の有名ダンス大会で数々の優勝・入賞を果たし、日本のみならず世界各国で話題を集めている。また、「はむつんサーブ」の母体となるバンド「Big Baby」と共に「はむつんサーブ with Big Baby」として、ダンスと音楽を融合させた独自のスタイルで活躍している。
2008年1月、マドンナが自身のプロモーションビデオにダンサーとして出演を依頼。「4MINUTES」のプロモーションビデオに抜擢される。
2008年7月より、マドンナのワールドツアー「STICKY & SWEET TOUR」に参加。ヨーロッパ各国、アメリカを回る。ニューヨーク、マジソンスクエアガーデンでの公演では、マドンナ自らの指名により、「はむつんサーブ with Big Baby」としてオープニングアクトを務め、大反響を巻き起こした。
2009年8月には、2nd DVDをリリース。更なるスケールアップを果たした圧倒的なパフォーマンスを繰り広げている。
2008年3月 1stDVD 「はむつんサーブ with Big Baby」リリース
2008年10月 1stSINGLE 「スペースハリア」リリース
2009年8月 2ndDVD 「はむつんサーブ with Big Baby 2」リリース
http://bigbabycrew.com/pcindex.htm(PC版) : http://bigbabycrew.com/i/index.htm(携帯版)

■アメリカのショービジネスにおける、厳しい現実
プロモーションビデオの撮影のときは通訳を頼んでいたんですけど、ツアーでは、自分たちと同じくダンサーとして参加していた、英語のできる日本人ダンサー(Mr. Kento Mori)が通訳がわりでした。日常的なダンサー同士のミーティングなどはそれで問題なかったんですけど、僕たちは自分たちが出した条件についてマドンナ側のスタッフと交渉しなきゃいけないことがたくさんあったので、彼に全部任せるわけにもいかなかったんです。
実際ツアーが始まってみたら、マドンナ側は自分たちの都合が良いように進めていこうとして、言うことを変えてくるんですよ。契約するときに決めたことでも、話をすり替えようとしたりして、必ずワンクッション入るんです。日本での仕事のやり方とは全然違うんですよね。日本人はやっぱり義理固いというか、約束したことはちゃんとやろうとしてくれるなと思いました。本当に怒って、仕事の途中で「いいです!じゃあ、もう帰ります!」なんて言ったのは初めてでした。
マドンナの仕事だからって自分たちの主張を曲げることはしなかったので、向こうもちょっとびっくりしてたんじゃないかと思います。相手の言っている細かい内容まで分からなくても、はぐらかしたりとぼけたりしてるのはちゃんと分かるんですよ。「そんなことを言ってたって、最後は折れてくるだろう」って思っていたようだったので、いろいろ問題が起きたときにひとつひとつ突き詰めていったっていうのは、向こうも予想外のことだったと思います。
どんな状況でも妥協せずに仕事ができたのは、自分のスタイルをしっかり持っていたからだと思います。初めからプライドありきということではなくて、ダンスも音楽も、自分のやっていることにずっとこだわりを持ってやっているうちに自然と育まれたものだと思いますね。
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■大成功した、マドンナのニューヨーク公演でのオープニングアクト
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客席のライトが落ちた瞬間、お客さんはみんなマドンナが出てくると思ってるわけです。そこへ全然知らないバンドが出てきて日本語で歌い始める。その状態でお客さんを湧かせなきゃいけないっていうプレッシャーは半端じゃなくて、ツアーが始まってからの3か月間、ずっとそのことばかり考えていましたね。
結果としては大成功で、2万人のリアクションは本当にすごかったです。日本人はどちらかというと「見る」という感じですけど、アメリカの人たちは「一緒に楽しむ」スタイルで、歓声の大きさとかノリとか、パワーが違いますよね。お客さんたちもみんな大歓声を上げながら、一緒に踊ったり飛び跳ねたりして楽しんでくれて、本当に貴重な体験をすることができたと思っています。
実はこのマドンナのオープニングアクトでは、他にも忘れられない経験をしました。公演当日は、午前中と本番前の2回リハーサルができることになっていたんですけど、本番直前になって、やっぱり2回目のリハーサルができないと言われて、生まれて初めて英語で喧嘩をしたんです。1回目のリハーサルは踊りの立ち位置や動きの確認作業で終わっていて、サウンドチェックは2回目のリハーサルでやることになっていたので、本当に頭にきましたし、このまま本番を迎えるなんてどうしようかとも思いました。結局は時間がなくて、2回目のリハーサルができないままで本番を迎えてしまったんですけど、このことで緊張感も何もかも全部吹っ飛んでしまったので、そういう意味ではかえって良かったのかもしれません。
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■一緒に何かをすることで、もっと通じ合える
マドンナのツアーに参加するまでは、英語を話すこと自体が恥ずかしいというか、ちょっと気おくれするようなところがあったんですけど、仕事をしていくうちにそれは減ってきましたね。それと、英語がそれほどうまくなくても、ダンスでコミュニケーションできるという点も大きかったと思います。一緒に仕事をしていたダンサーたちとのコミュニケーションもそうですけど、ツアー先の国で夜クラブに行ったりすると、地元のダンサーたちとお互いのダンスを見せ合いながら、言葉を超えたところでコミュニケーションできるんです。とは言っても、海外に行くと英語圏ではない国でも英語が共通言語になるので、次に海外で仕事をするときは、もっと英語を勉強してから行きたいですね。勉強方法としては、いつでも自分で勉強できる、ニンテンドーDSの英語ソフトを使ってみたいと思っています。
ダンサーたちと仕事をしている中では、もともとの振り付けを超えるほど、みっちりと泥臭く練習して踊り込んでいるようなときに、「dope」という言葉をよく使っていました。他には、演出の打ち合わせをで意見交換をしているときには「make sense」、ダンスの振り付けを考えていて「よし、これでいこう!」というときなどには「fix」も便利なひとことでした。
英語を上達させるには、たとえ英語がうまくなくても、自分からどんどんコミュニケーションを取れば取るほど良いんだなとすごく思いましたね。僕はどちらかというと積極的なタイプではないので、あまりそういう風にできなかったんですけど、僕の相方(だーよしさん)は自分からガンガン相手の中に入って行っていたので、その分英語が上達していました。 |
■海外に出て、改めて気づいたこと
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日本人のダンサーって、海外のダンサーの真似をするのがかっこいいって思っているところがあると思うんです。僕は昔からそういうのが嫌いで、「日本人なんだから、日本人ならではの踊り方でやっていかないと、日本のスタイルを誇ることができない」ってずっと思っていたんですけど、海外に出てみて「やっぱりそうだよな」と再確認することができました。日本人としての気持ちがもっと強くなったというか。
不思議なことに、日本にいるとこういう考え方をしていることが、逆に海外的だと思われたりするんですよね。
日本にいるとみんな右へならえで同じことをするところがあるけれど、海外に出ると、「自分のスタイル、自分の個性を持ってなんぼ」なんです。
僕は日本人なので日本人としてのスタイルで踊る。だけど、日本にいるとそれが逆に日本人っぽくなく見えて、浮いてる感じになるんですよね。
だけど海外に行ってみて、自分のやり方が間違ってないんだと実感しました。
アメリカで2万人を前にして、日本語で歌ったにもかかわらず、お客さんに喜んでもらえて高い評価をもらったので、はむつんサーブ with Big Babyのパフォーマンスを世界中でやってみたい、海外でチャレンジしてみたいと強く思っています。
はむつんサーブとしては、本当に和風な作風のダンスを作って、能や歌舞伎をしている方とか、高齢の方の前で踊ってみたいなと思いますね。
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■自分のスタイルを持てば、世界が自分に近づいてくる
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海外で活躍したいと思っている人へのアドバイスとして、「自分のスタイルを持つ」ということが一番大事だと伝えたいですね。日本では人と同じであることが良いとされる部分が大きいですけど、海外に出たら、「これだけは譲れない」という自分のスタイルを持っているかどうかがまず問われますから。僕たちも、自分のスタイルがあるからこそ海外から呼ばれたんですけど、でも、そもそも海外に出たくてダンスをやっていたわけじゃないんです。ダンスに限らずどんなことでも、自分のスタイルを貫いてやっていけば、必然的に海外から声がかかるようになる。海外の方が自分たちに近づいてくるっていうことだと思います。
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